機械的じんましんは外部から機械的な刺激を受けた場合に起こるじんましんです。
時計のバンド、ベルトで押さえていたお腹、下着のゴムによる締め付け、アクセサリーの金属類の接触部分、バッグを持っていた手首などにできます。
これは刺激物質を受けた真皮の微細血管の周辺にある、肥満細胞の細胞壁からヒスタミンという物質が遊離されます。
それが毛細血管に作用して、血管壁の透過性を高めます。その結果、血管から周囲の組織へ血漿がしみ出て、赤みを帯びた膨らみができます。
機械的である場合、他のじんましんよりも比較的判断が簡単です。
例えば、新聞を束ねる紐などで手首を強く引っ掻き、その刺激により赤いみみず腫れができて、なかなか引かない場合は、かゆみが出なくても機械的じんましんです。
摩擦で熱を帯びたために温熱じんましんに感じるかもしれませんが、あくまで皮膚に何らかの物質が接触した場合に発生したのであれば、機械的と判断できます。
また、じんましんは強いかゆみを伴いやすいですが、機械的じんましんの場合は赤く腫れるだけで、かゆみも痛みもほとんどない場合もあります。
ただし、機械的じんましんが発生した箇所を掻いてしまうと、かゆみが発生したり、じんましんが広がることもあります。
基本的にじんましんができやすい体質なのに、さらに掻いてしまうことは肌に人工的な刺激を与える結果になり、症状が悪化します。
機械的じんましんが発生しやすいか判別するには、皮膚に刺激を与える皮膚描記法が用いられます。
ボールペンの先端などの細い硬いもので強く皮膚をこすり、圧迫します。健康な人は少し赤くなってわずかに腫れる程度ですが、機械的じんましんの場合は真っ赤に腫れ上がります。
なぜ、機械的刺激でじんましんの原因のひとつであるヒスタミンの遊離が起こるのかは、まだ判明していません。キニンという化学伝達物質が皮膚血管に作用していると発表されていますが、肥満細胞の細胞壁が何らかの原因で弱くなっているとも考えられます。
そのため、原因物質が判明されているじんましんですと、その原因を避ければよいのですが、機械的じんましんの治療では抗ヒスタミン剤の内服や注射などを行うことが多く、軟こうなどの塗布も併用します。これは対症療法ですから、刺激があれば再度発症する場合があります。
しかし、上手にじんましんの発症をコントロールしていくことで、少しずつ薬の量を減らすことができ、やがては薬を中止できるようになります。
多くのじんましんで共通しているのは、年齢や環境の変化で完治する場合も多いことです。機械的じんましんが起こりやすい方もその点を踏まえた上で、しっかりと医師と相談して治療に望むことが大切です。
また、機械的ではないにせよ、拒絶反応で腸の粘膜が腫れ、下痢、腹痛、嘔吐などの腹部の症状が出ることもあります。これらの症状が出た場合は、じんましんが体の内部の粘膜にも出ているというサインです。
その程度が強い場合には、血液の成分がたくさん血管外に漏れ出ており、循環している血液量が減るショック状態であるアナフィラキシーショックになる場合があります。
これらは非常に危険な状態ですので一刻の猶予もありませんので、救急手当てが必要です。