アナフィラキシーショックとは重症化したアレルギー症状のことです。
日本では夏から秋にかけて、スズメバチに刺されてアナフィラキシーショックに陥る事件で有名かもしれません。
スズメバチの毒が体内に入ると、すぐに冷汗や悪心を感じ、数分もしないうちに全身にじんましんが発生します。
嘔吐、しびれ感、くしゃみ、尿意、血圧低下が先行して、呼吸困難、胸内苦悶、喘息発作が続きます。さらには声門に浮腫ができて窒息、チアノーゼ、意識レベル低下、ここで処置をしなければ死亡に到ります。
スズメバチに初めて刺されても死亡するケースは少ないのですが、そのときに体内でスズメバチ毒素に対して抗体が作られます。
危険なのは2度目に刺されたときで、抗原抗体反応が過剰に起こり、先ほどのアナフィラキシーショックの症状が見られます。
これらはアレルギーと同じ仕組みです。免疫細胞が特定の物質を異物と判断、再侵入に備えて「IgE抗体」という抗体を生成、IgE抗体がマスト細胞と結合します。
特定の物質が再侵入すると、マスト細胞がヒスタミンなどを放出、細胞組織、血管、神経細胞を刺激、かゆみ、せき、くしゃみを引き起こします。
反対を意味する接頭語の「ana」、防御状態を意味する「phylaxis」をくっつけて、「anaphylaxis」と命名されました。アレルギーは体の免疫力が働いているのに、働きすぎて逆に体が以上を訴えっている状態です。
日本ではスズメバチだけで年間数十人が亡くなっていますが、アナフィラキシーショックの事例として多いのは、むしろ食事によるアレルギー反応のほうです。
そのため、2002年4月から卵、牛乳、小麦、そば、落花生の5品目は、アレルギーを起こしやすい食品への表示が義務化されました。
牛肉、豚肉、鶏肉、大豆、クルミ、山芋、マツタケ、オレンジ、キウイ、モモ、リンゴ、アワビ、イカ、イクラ、エビ、カニ、サバ、サケ、ゼラチンの19品目は、食品への表示を推奨されています。
日本では食物アレルギーを持つ人は日本人の約2%ですが、子供だけを見ると年々増加傾向にあります。
肉食中心で野菜の食物繊維の少ない食事、大量の食品添加物が含まれる食品を食べながら、エアコンや空気清浄機などによるクリーンすぎる環境で抵抗力が低下していることが原因とされています。
また、アレルギーの抵抗力をつけるために「少しずつその食品に慣れさせて、免疫をつけるのがベスト」というのは間違いです。
食物アレルギーは0~2歳の乳幼児で発症することが多く、9歳までが全体の80%を占めています。大人になるとアレルギーが治まるのは、慣れたからではなく消化器官が成長したためです。
アナフィラキシーの予防はアレルギーの原因になる食物を食べないことです。
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