じんましんはアレルギー性鼻炎や結膜炎と同じく、アレルギーによる皮膚の反応です。
それらの原因になるアレルゲンを特定する検査では、現時点で200種類以上の物質が対象になっています。
耳鼻科や皮膚科などで血液を採取して、アレルゲンの臨床検査機関に検査を委託します。1週間ほど経てば、耳鼻科でスクラッチテストでも紹介している陰性を加えた7段階評価で、アレルギー物質の一覧結果が貰えます。
費用は1項目ごとにかかるため、200種類では保険適用でも数万円になります。大抵は主要なアレルギーであるスギやヒノキ、個人的に気になる食品であるソバや小麦、過去の経験からイヌやウサギなど10~20個程度に絞ります。
まずは花粉や雑草、ダニなどの「吸引系アレルギー」です。受託件数が多い順ですと、スギ、ハウスダスト、ヤケヒョウヒダニ、ヒノキ、カモガヤがトップ5ですが、陽性率を見れば、ネコやイヌ、イネに反応してしまった人が多いです。
| アレルゲン | 陽性率(%) |
|---|---|
| スギ | 55 |
| ハウスダスト | 45 |
| コナヒョウヒダニ | 45 |
| ヤケヒョウヒダニ | 43 |
| ヒノキ | 32 |
| ネコ皮屑 | 24 |
| イヌ皮屑 | 22 |
| シラカンバ(属) | 21 |
| イネ科 | 20 |
| カモガヤ | 20 |
| 家兎上皮 | 20 |
| ハルガヤ | 19 |
| 動物上皮 | 18 |
| オオアワガエリ | 18 |
| ハンノキ(属) | 15 |
| ギョウギシバ | 14 |
| フランスギク | 13 |
| コナラ(属) | 13 |
| ブタクサ | 11 |
| ヨモギ | 11 |
| ハムスター上皮 | 10 |
| オオブタクサ | 10 |
| アキノキリンソウ | 9 |
| 雑草 | 9 |
| イヌ上皮 | 8 |
| タンポポ(属) | 7 |
| カナムグラ | 6 |
| マツ(属) | 3 |
| セキセイインコ羽毛 | 0 |
例えば、「スギがアレルギーであることは今までの経験から知っている」としても、スギの検査も経験しておくことをおすすめします。
花粉の飛散時期カレンダーで紹介しているように、花粉は飛散時期が被っています。「実際はスギは陰性でヒノキが陽性だった」ということがあります。仮にスギが陽性だったとしても、スギはクラス2の軽度で大したことがないと判断できるかもしれません。
そのため、初めて検査をする人は、スギ、ハウスダスト、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、ヒノキ、ネコ、イヌ、シラカンバ、イネ科、カモガヤの10個を抑えておくと安心です。
アレルギーを大別すると、ホコリやチリの「室内塵」、ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニなどの「ダニ」、スギやヒノキなどの「樹木花粉」、カモガヤのような「イネ科植物花粉」、ブタクサやヨモギなどの「雑草花粉」が先ほどの「吸引系アレルギー」に分類されます。
ネコやイヌについては毛やフケが吸引系アレルギーですが、検査機関によっては上皮やヨダレと一緒に「接触系アレルギー」で検査することもあります。
接触系アレルギーはネコやイヌをはじめ、ウサギやインコなどの「動物」、ゴキブリやガなどの「昆虫」、絹や綿などの「職業性アレルゲン」があります。他にもアニサキスなどの「寄生虫」やゼラチンなどの「薬物」もアレルギー物質の1つです。
食べ物として体内に入るアレルゲンは「食品系アレルギー」に属します。食品は下記のように種類が多いので、実際に怪しいと思われる食品に絞って検査をするようにしましょう。
| アレルゲン | 陽性率(%) |
|---|---|
| 洋ナシ | 43 |
| オボムコイド | 41 |
| カゼイン | 39 |
| モモ | 39 |
| 卵白 | 37 |
| クルミ(実) | 33 |
| ゴマ | 33 |
| 大麦 | 28 |
| アニサキス | 28 |
| リンゴ | 28 |
| β-ラクトグロブリン | 26 |
| 卵黄 | 26 |
| グルテン | 24 |
| イクラ | 23 |
| カレイ | 23 |
| キウイ | 23 |
| タラ | 22 |
| バナナ | 22 |
| チーズ | 20 |
| ホタテ | 20 |
| アーモンド | 20 |
| ピーナッツ | 20 |
| α-ラクトアルブミン | 19 |
| ココナッツ | 19 |
| イチゴ | 19 |
| タコ | 19 |
| ビール酵母(パン酵母) | 18 |
| トマト | 18 |
| アジ | 18 |
| ミルク | 18 |
| トウモロコシ | 17 |
| ニンジン | 17 |
| アサリ | 16 |
| ジャガイモ | 16 |
| スイカ | 16 |
| エビ | 16 |
| ホウレンソウ | 15 |
| イカ | 15 |
| カニ | 15 |
| 小麦 | 15 |
| カボチャ | 14 |
| グレープフルーツ | 13 |
| サツマイモ | 13 |
| サケ | 12 |
| タラコ | 12 |
| 食物 | 12 |
| マグロ | 11 |
| イワシ | 10 |
| ソバ | 10 |
| 大豆 | 10 |
| メロン | 10 |
| マンゴ | 9 |
| カキ(貝) | 9 |
| 牛肉 | 9 |
| 米 | 8 |
| タケノコ | 8 |
| オレンジ | 8 |
| 穀物 | 7 |
| タマネギ | 7 |
| 豚肉 | 6 |
| サバ | 5 |
| 鶏肉 | 5 |
| ゼラチン | 1 |
| カカオ | 1 |
ホウレンソウ、ナス、エノキダケ、牛肉、とり肉は「ヒスタミン」という化学物質が含まれていて、そのヒスタミンが血管を拡張させ、じんましんなどのアレルギー反応を起こさせます。
チーズ、ピーナッツ、アボカドなどは、乳酸菌などの微生物によりヒスタミンが作られてアレルギーを悪化させます。
卵白、イチゴ、アルコール、チョコレート、エビやカニなどにはヒスタミンが含まれていませんが、「レクチン」と「エンドトキシン」が含まれていて、肥満細胞からヒスタミンの遊離を促進させることで、間接的にじんましんを引き起こします。
タケノコ、ピーナッツ、ソバ、ヤマイモには「アセチルコリン」が含まれるため、副交感神経を刺激し、血管の拡張や気管支喘息なども併発します。
また、納豆、味噌、醤油では、接触だけでじんましんが起きる場合もあり、同じ食品に属していても、かゆみや湿疹が起きるまでのプロセスが違います。
冬場に起こるじんましん
耳鼻科でスクラッチテスト