アナフィラキシーショック - 2回目の毒素で起こるアレルギー症状

2度目の毒素で体が過剰に反応する

2度目の毒素で体が過剰に反応する

アナフィラキシーショックは重症化したアレルギー症状のことです。例えば、日本では夏から秋にかけて、スズメバチやアシナガバチに刺されてアナフィラキシーショックに陥る人が数十人もいます。

スズメバチの毒が体内に入ると、すぐに冷や汗や悪心を感じ、数分もしないうちに患部が腫れ上がります。しかしながら、スズメバチに初めて刺されても死亡するケースは実は少ないです。

ただし、1度目に刺されたときに体内でスズメバチ毒素に対する抗体が作られます。その後、2度目に刺されたときが危険です。

すでにあるスズメバチの抗体の影響により、重い抗原抗体反応が起こり、最初にじんましん、嘔吐、しびれ感、くしゃみ、尿意、血圧低下が先行して、次に呼吸困難、胸内苦悶、喘息発作が続きます。

さらには声門に浮腫ができて、窒息、チアノーゼ、意識レベル低下などのアナフィラキシーショックが起こり、この時点で適切な処置をしなければ死亡に到ります。

  1. 初めて蜂に刺されて、痛みやかゆみを経験します。
  2. 刺された箇所は数日で消えて、完治にいたります。
  3. そのとき、体内では蜂毒アレルギーを持つことが多いです。
  4. 再度、蜂に刺されます。
  5. 約10%の人がアレルギー反応として、じんましんなどを発症します。
  6. そのうちの数%の人がアナフィラキシーショックがおきます。

アナフィラキシーショックはアレルギーと同じ仕組みです。免疫細胞が特定の物質に対して異物と判断し、再侵入に備えて「IgE抗体」という抗体を生成し、IgE抗体がマスト細胞と結合します。

特定の物質が再び侵入すると、マスト細胞が異物を攻撃するためにヒスタミンなどを放出して、そのヒスタミンの影響により細胞組織、血管、神経細胞を刺激し、その結果、かゆみ、せき、くしゃみなどを引き起こします。

アレルギーは体の免疫力が働いていても、その働きが過剰すぎて逆に体が異常を訴える状態です。そのため、反対を意味するana、防御状態を意味するphylaxisを併せて、日本でもanaphylaxisという名称が浸透しました。

食べ物のアナフィラキシーショック

日本ではスズメバチだけで年間数十人が亡くなっていますが、アナフィラキシーショックの事例としては、スズメバチよりも一般的な食事によるアレルギー反応のほうが多いです。

そのため、2002年4月から卵、牛乳、小麦、そば、落花生の5品目は、アレルギーを起こしやすい食品として表示が義務化されました。

さらに牛肉、豚肉、鶏肉、大豆、クルミ、山芋、マツタケ、オレンジ、キウイ、もも、りんご、アワビ、イカ、イクラ、エビ、カニ、サバ、サケ、ゼラチンの19品目は、食品への表示を推奨されています。

日本では食物アレルギーを持つ人は日本人の約2%ですが、子供だけを見ると増加傾向にあります。

肉類が中心で野菜の食物繊維の少ない食事、大量の食品添加物が含まれる食品、エアコンや空気清浄機などによるクリーンすぎる環境で、抵抗力が低下していることが原因とされています。

食物アレルギーは0~2歳の乳幼児で発症することが多く、9歳までの子供で全アレルギー保持者の80%を占めています。

これは大人になるとアレルギーが自然と治まることが多いからです。その理由はアレルギーに慣れたからではなく、消化器官が成長したり、免疫力が弱まった結果であり、治療による効果は一部であるとされています。

ちなみにアレルギーの抵抗力を減らすために、少しずつその食品に慣れさせて、免疫を付ける免疫療法は、専門医の指導以外では推奨されていません。

そのため、アナフィラキシーショックの予防ではアレルギーの原因になる食物を、子供のうちは絶対に食べないことです。大人になっても症状が収まらない場合は、その食品を避ける習慣が必要です。

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公開日公開日 2009.10.13
更新日更新日 2015.08.13

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蕁麻疹(じんましん)事典編集部
蕁麻疹(じんましん)事典編集部
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じんましんの原因、予防、治療を徹底解説。寒冷蕁麻疹やコリン性蕁麻疹、アレルギー性疾患なども掲載しています。

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